ゼロからの理想を求めた、
ものづくり。
僕たちのものづくりは、これまでものづくりをしてこなかったからこその探求の連続でした。ジーンズについても、1950年代の無骨さに加えて1920年代の染色、1970年代の縦落ちを施したものづくりはその後「どしゃ降り落ち」と酷評されることもありました。僕たちはそれまで「これでいいや」とされていたことを問い続け、そして自分たちがカッコいいと思うものをつくり、それが人からカッコいいと思われるものにしたいという気持ちでつくっていました。
そうしたフラットヘッドのものづくりに欠かせないのがものづくりの職人たちです。僕たちのものづくりはこれまで雑誌などでも取り上げてもらいましたが、どういう人たちがつくっているのかということを立たせたかったのです。見られても大丈夫だというものづくりをしていた自信がありました。そして見られて真似されたところで次に行けばいいという思いもありました。常に進化し続けるフラットヘッドのものづくりに欠かせない職人たち、その人たちをヒーローにしないといけないと思っています。
フラットヘッドを支える、
ものづくりのヒーローたち。
僕はフラットヘッドを通じて、ものづくりをする人たちがヒーローになっていくということを目指したい。技術は良いものがあるのに、現場の手仕事をしている人たちが裕福になっていかないことは、日本のものづくりを衰退させてしまうのではないかと心配しています。僕が誰よりも、ものづくりへのプライド、こだわり、自信がないと、日本のものづくりは途絶えてしまうのではないかと思っています。今は海外でもちゃんとつくれる、だからこそ日本のものづくりで違いを出さないといけない。それは、魂や気持ち、そういうものがあるかどうかだと思っています。
フラットヘッドの製品を通じて、それが世界中の人たちに使われることで、「お前んちのお父さん本に出てんじゃん、すげえじゃん」と言われるようにしたい。それによって一人でも多くの後継者をつくりたい。だから「俺もああなりたい」と思ってもらえるように出てもらいました。フラットヘッドのものづくりを担う職人たちがヒーローになることは、フラットヘッドの製品やブランドの価値を上げているだけでなく、それが後継者を生み、世代を超えて継承されていくことにつながっていきます。